研究目的は,アイトラッキングシステムを用いて学習者や指導者の視線移動計測実験を行い,学習活動や教授活動の特性を,客観性の高い視線データから明らかにすることであった。 学習者を対象とした実験の結果,学習者自身が無意識的に用いている方略や,高正答率者と低正答率者の方略の違いを視線データによって明示できた。また,指導者を対象とした実験の結果,指導経験の長さが指導内容・方法に関する知識を体系化することで,重要箇所を的確に見る効果的な視線移動につながる可能性が示唆された。 これらの知見は,学習者のつまずきに対する指導方法の提案や,教員養成,教師教育における自己省察方法の検討などにつながると考えられる。
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