本課題では、テラヘルツ光の偏光状態を右円偏光と左円偏光に切り替えられる円偏光スイッチング素子の実現に取り組んだ。偏光状態を動的に切り替えられれば、分光を行う際の測定精度が向上し、より細かな情報を得られると期待されている。しかしながら、これまではテラヘルツ光の偏光状態を切り替えられる簡便なデバイスが存在しておらず、それがテラヘルツ光の偏光を活用した技術の開発を妨げていた。そこで本研究では、直径150ミクロンの変形可能な金属の渦巻き構造を縦横に多数配列したメタマテリアルと呼ばれる人工材料を作り、テラヘルツ光の偏光状態を動的に切り替えられる光学デバイスを実現した。
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