研究課題/領域番号 |
26706009
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
後藤 太一 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00721507)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ナノ光マグノニック結晶 / イットリウム鉄ガーネット / 位相干渉 / ロジック回路 |
研究実績の概要 |
本研究は,ナノスケールの人為的構造を導入した,光の制御が可能なスピン周期構造(ナノ光マグノニック結晶)を提案・形成し,電荷を動かさない(電荷非輸送型)光出力型スピン波演算素子の実現を目的とするものである。 (1)演算器形成:昨年度までに得られた結果の詳細をまとめ,国内外での招待講演等による報告,論文投稿を行った。さらに,本演算素子を多入出力化したときの試算を行い,高性能化できる可能性を示した。(2)変換部形成:ナノ光マグノニック結晶形成に必要な磁気光学材料の新規形成方法を確立し,試作結果において,材料単膜を使用した時の30倍の磁気光学効果が得られた。本件は論文誌等によって報告した。(3)媒体形成:薄膜の媒体上に,電極を形成し,スピン波の伝搬及び,磁界による変調を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
演算部開発パートは,計画当初よりも進捗が見られ,得られた知見から発展された機能の実装を図っている。変換部開発パートについては,当初の予定通り進行している。伝播媒体形成パートは,予定通り,変換部,演算部開発パートへの試料提供が開始でき,当初の計画通りである。全体的に,演算部開発パートが進んでいることから,当初の計画以上に推進しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
(1)演算器形成:論文誌等での実験の詳細報告を継続とするとともに,同機能をより小型に,高効率で実現できる方法を調べる。(2)変換部形成:ナノ光マグノニック結晶の高効率化を行い,スピン波―光変換器の実証を行なう。(3)媒体形成:引き続き,同手法を用いて薄膜媒体の高品質化を行なう。今年度は,結晶構造の詳細な解析結果を加える事で,論文誌での報告を行なう。(4)全体の合体のプロセスについては,全てのコンポーネントを合体する。
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次年度使用額が生じた理由 |
装置故障により,使用するスピン波媒体の数が,当初予定よりも少なくなったため。
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次年度使用額の使用計画 |
装置の修理が5月に完了したため,スピン波媒体準備用消耗品の購入を行なう。
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