本研究は、ナノスケールの人為的構造を導入した、光の制御が可能なスピン周期構造を提案・形成し、電荷を動かさないスピン波演算素子の実現を目的としたものである。 スピン波を使った演算部、磁気情報から光情報に変換する変換器部、及び、スピン波が伝わる磁性膜の形成を並行して行った。演算器部は、当初予定していた以上の複雑構造のスピン波位相干渉素子を形成し、位相情報としてスピン波の演算結果を出力することに成功した。変換器部は、光に対する磁化状態の感度を、光キャビティを用いることで増大し、磁化の状態で、光パルスを制御できた。薄膜スピン波媒体を形成し、スピン波デバイスの小型化が可能であることを示した。
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