テラヘルツ帯に現れるエレクトロマグノン共鳴を利用し、電気磁気光学効果の新原理の開拓、巨大応答の実現を目指した研究を行った。らせん型に配列したスピン構造を利用することで、エレクトロマグノン共鳴における磁気カイラル効果を実現した。これは結晶構造に依存せずスピン構造のみに由来する現象であり、らせん磁性体の持つ一般的な動的応答である。特にデラフォサイト型の物質においては、400%もの光学応答の変化を示す巨大な電気磁気光学効果(方向2色性)を実現した。一方、磁性由来の強誘電分極の伸縮モードに対応するエレクトロマグノンを観測し、その共鳴が電気磁気光学効果を示すことを明らかにした。
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