研究実績の概要 |
2016年度行った主な研究活動はLille 第一大学のAma\"el Broustetとの共同研究の非自明な偏曲自己準同型射を持つ多様体の対数的カラビ・ヤウ構造の研究をまとめて発表した。この証明には極めて正標数上のフロベニウス写像の振る舞いからのインスピレーションを受けている。結果自体は標数0のものだが正標数上の代数幾何に関連していると言って良いと思う。またこの年Caucher Birkar氏によるBorisov--Alexeev--Borisoの特異点付きのFano多様体の有界性についての予想(BAB予想)の証明が発表され、その証明の検証を行った。これは玉原代数幾何学サマースクール2016およびWorkshop on Singularities, linear systems, Fano varietiesで発表した。これは当初予定していなかった研究活動であるが、極めて重要な仕事であった。それの応用として、Batyrevの錐予想の対数的標準対への拡張の研究を行った。BAB予想の肯定的解決を受けて、その後はフリップの停止問題について研究を始めた。これは当初の予定にはなかったが申請書にあるアバンダンス予想の解決に向けて重要なステップである。また国内外合わせて、17講演行った。また今年度高木俊輔氏との共同研究"Surface of globally F-regular and F-split type" Math. Ann. 364 (2016), no. 3-4, 841--855.が出版された。
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