本研究では、これまで測定が困難であった収量の少ない短寿命不安定核の持つ核スピンや電磁気モーメントといった原子核構造研究に有用な物理量を、申請者らが開発を進める超流動ヘリウム環境を利用した新しいレーザー分光法によって測定可能とする。低収量の不安定核に対する測定を可能とすべく、これまでの開発で問題となっていたレーザー散乱光による光検出器のバックグラウンド信号を、ダブルグレーティング分光器を用いた新しい集光検出器系によって1/10000まで低減することに成功した。さらに、実際の不安定核と同じ高速85Rbビームに対して上記の集光検出器系を用いたテスト実験を行い、低収量RIに対する有用性を確認した。
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