本研究は、宇宙線中に微量に含まれる反粒子(とりわけ未発見の反重陽子)の高感度探索を通じてダークマター等の初期宇宙物理の課題に迫ることを最終目的とする。それに向けて本研究では、エキゾチック原子の崩壊過程を利用したオリジナルな粒子識別手法に基づく反粒子宇宙線測定器GAPSの開発を、気球実験用の測定器システムとして最適化するべく、進めた。特に、自励振動ヒートパイプという先端技術を取り込むとともに、各検出器の設計や製法の改良に成功した。これらの成果により、GAPS計画を実施フェーズに移行させるための中核技術や知見を獲得するという目標を達成した。
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