研究成果の概要 |
本研究では,4f2配位をとるPrイオンを含む非クラマース系の立方晶PrT2Zn20(T=Ir, Rh)に着目し,非磁性の基底二重項で活性となる電気四極子に起因する強相関電子現象について調べた。PrIr2Zn20の大型単結晶を用いた磁場中中性子回折により,四極子秩序の秩序変数を同定した。共存する四極子秩序と超伝導の転移温度のLa置換に対する変化の相関は弱かった。電気抵抗率と比熱の非フェルミ液体的挙動は四極子近藤格子の理論モデルで説明でき,磁場中ではフェルミ液体の基底状態が現れた。これら四極子秩序や超伝導,構造相転移などに関して,同型のPrT2Al20(T:遷移金属)を含めた系統的な解釈を示した。
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