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2015 年度 実績報告書

重い電子系エピタキシャル薄膜による価数揺らぎの制御とフェルミオロジー

研究課題

研究課題/領域番号 26707019
研究機関豊田工業大学

研究代表者

松波 雅治  豊田工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30415301)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード価数揺動 / 光電子分光 / エピタキシャル薄膜
研究実績の概要

本研究では,重い電子系の物理における古くて新しい問題「価数揺動」に関して,エピタキシャル薄膜試料の開発と,光電子分光観察によるフェルミオロジーを組み合わせた研究によって新しい展開を切り拓くことを目的としている.
本年度は,申請者の異動(分子科学研究所→豊田工業大学,2015年6月)があり,研究計画の大きな変更を迫られることとなった.また,異動に伴って分子線エピタキシー(MBE)装置の引っ越しを行ったが,その際に装置の損壊(具体的には本MBE装置のマニピュレータの電流導入端子の破損)というトラブルに見舞われてしまったため,研究の大幅な遅れが生じることとなった.ただし,この損壊は引っ越し業者のミスによるものであり,その修理に本研究費を使用する必要は生じなかった.また,本研究に必要不可欠な角度分解光電子分光(ARPES)に関しては,申請者が新たに属した研究室に新しいARPES装置が設置されることになったため,本年度はその建設・評価を中心に行った.このARPES装置と,昨年度建設を行ったMBE装置とを超高真空下で連結することによって当初の目標が達成できると考えている.
その後,本MBE装置の復旧と高度化を進めた.特に,新たなPBN製のルツボの購入,サンプルホルダー形状の再検討,ロードロックチャンバーのポンプの増強やRHEED像のカメラ解析システムの整備等を行った.これにより,より高性能かつユーザーフレンドリーな装置へと高度化することに成功した.その後,本年度後半以降から現在まで,薄膜作製を同時に進めているところである.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

上記のように,申請者の異動(分子科学研究所→豊田工業大学,2015年6月)に伴って,研究計画の大幅な変更が余儀なくされた.またMBE装置の損壊というトラブルが起きたために,実験計画が後ろ倒しになった.以上の二点が重なったことにより,当初計画よりも研究の進行度はやや遅れをとることとなった.しかしながら,どちらの問題も既に解決しており,次年度で十分に取り返せる遅れだと考えている.

今後の研究の推進方策

まず試料に関しては,現状で目的のYbInCu4のエピタキシャル薄膜はまだ得られておらず,試行錯誤を続けているため,本年度はもう少し簡単な二元系であるYbIn3の作製から挑戦することを計画に入れている.
ARPES装置に関しては順調に整備が進んでおり,今年度中盤からは測定を開始できると思われる.また,昨年度は関連物質の硬X線光電子分光(HAXPES)測定を行い,人工超格子の深さ方向の電子状態測定のノウハウも獲得できたため,YbInCu4の人工超格子の作製に成功した場合の測定準備は整っている.

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公開日: 2017-01-06  

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