研究課題/領域番号 |
26707026
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研究機関 | 独立行政法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
笠原 慧 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (00550500)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 地球惑星磁気圏 / 非熱的粒子 / 粒子計測 |
研究実績の概要 |
平成26年度は,センサオプティクスを含めた構造詳細設計を行った.特に,入射部のコリメータ構造,および検出器の並べ方について,センササイズ・重量・組上げの容易さなどを考慮しながら検討した.計画開始時の概念設計では検出器及び入射部のコリメータ構造をについて,センサ外に向かって凸な形状の構想を持っていたが,信号読出し基板なども含めた全体の成立性を考え,センサ外に向かって凹な形状も候補とした.また,当初は10keV - 100 keVというエネルギーレンジを想定していたが,将来的なサイエンス要求を見据えて400 keV程度まで計測できるような応用を考えると,複数の検出器をスタックする必要があり,この点においても後者のオプティクス構造の方が好ましい.今後,読出し基板のサイズについても(過去の実績を参考にして)考慮しながら,最終的な構造を決めることとした. 検出器としては申請者がこれまで開発してきており世界的にも有意性を持つ,アバランシェフォトダイオードを用いる予定であり,この検出素子についても,サイズ・形状を検討した.100keV以上というエネルギー上限を達成するためには100um程度の厚みがあればよく,このような厚みの素子の製造は実績がある.一方で,低エネルギー側の観測下限を伸ばそうとすると,入射面の不感層の厚みを薄くする必要があるが,あまり薄くするとイオン入射による誤検出が起こるため,最適な不感層厚の設定が難しい問題として残っている.イオン入射を別の手法で取り除く事ができないか,検討を続けている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記のように,構造設計において構想の大きな転換があったこと,イオン除去の手法検討に時間を擁している事などから,計画開始時の想定よりもやや遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
昨年度は,構造検討にあたり将来的な発展性まで考慮して様々な可能性を検討したため,製造関連の進捗が少なかった.本年度以降は,確実に成果を出すために,(段階的な発展は考慮しつつも)欲張りすぎない設計を心がけて検討・製造を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
上記のようにセンサ構造および検出器の仕様決定がやや遅れており,H26中には製造にまでは進めなかったため.
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次年度使用額の使用計画 |
センサ構造製作および検出器購入を下記の通り修正する.(平成28年度・29年度の計画には時間の余裕を多くとっていたため,そこで遅れを吸収する事は可能であると考えている). 平成28年度にはセンサ部構造(アルミ加工品)を製作する.また,電子回路部・高圧電源部の基板を製作し,基板単体で機能・性能確認試験を実施する. 平成29年度には検出素子を購入し,機器全体を組上げ,性能試験を行う.
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