研究課題/領域番号 |
26707026
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
笠原 慧 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (00550500)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 磁気圏・電離圏 / 放射線 / 惑星探査 |
研究実績の概要 |
平成27年度は(1)センサオプティクス部の設計・加工,(2)検出素子設計・製造,(3)信号読み出し回路基板の設計,(4)高圧電源基板の回路・基板設計,(5)制御基板の回路・基板設計を実施した. (1)センサの電子入射部の形状を決定した.今回は,観測ロケットで高度300kmの脈動オーロラ電子を計測する事を想定し,必要な感度を見積もったうえで,入射口のピンホールサイズとピンホール・検出素子間距離を決定した.5個の検出器を,異なる視野方向を持つように並べ,半球型の視野を確保した.また,将来的に検出器をスタックする事でエネルギー範囲を広げる事も考え,スタックの余地を残すような配置設計にした.この設計に基づき,加工業者(YSデザイン)と協議の上でオプティクス部の構造詳細設計および加工を実施した. (2)検出素子(Avalanche Photodiode, APD)を設計・製造した.十分に小さい電気ノイズを達成するために素子サイズを5mm x 5mm x 厚み70umのコンパクトなものとした.また,イオンや紫外線による信号を除去すべく,入射面に2umのアルミ蒸着を施す事とした.設計後,浜松ホトニクスにて製造を実施した. (3)APDからのアナログ信号を読み出すアンプ・サンプルホールド回路基板の設計を実施した.本研究で開発する機器に適する基板形状・インタフェイス(IF)を示し,電子部品業者(ミノ電子)にて基板設計を実施した. (4), (5) ロケットの1次電源を機器内部向け2次電源に変換する変換器,およびAPDに印加する高圧電源を搭載した基板の設計を電気メーカ(明星電気)と協議して進めた.また,高圧電源およびアナログ信号処理の制御基板についても初期基板設計を実施し,想定する基板サイズに収まる事を確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度はセンサオプティクス部の設計・加工,検出素子設計・製造,信号読み出し回路基板の設計,高圧電源基板の回路・基板設計,制御基板の回路・基板設計を実施した. これは平成27年度頭の研究実施計画通りの進捗である.
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今後の研究の推進方策 |
H28年度は,信号読み出し回路基板の製作・試験,制御エレキ部の詳細検討,およびエレキ部の構造設計・製造を進める. 制御エレキ部に関しては,ロケット計画の採択を待たずしてインタフェイス(IF)部分を決めることはできないため,製造は年度後半,あるいは場合によっては来年度に実施することになる.また,高圧電源基板についても,制御基板の確定度合に併せて回路確定・製造タイミングを見極める. H29年度は,それまでにロケット計画が採択されIF部分が確定していれば,すべての基板を完成させ,機器全体を組上げ,性能試験を行う.性能試験には,名古屋大学のビームライン(5-120 keV) を用いる予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
センサオプティクス構造製造,検出器製造,基板設計,といった100万円を超える複数の案件について予定よりわずかずつ安く収まったため,2万円程度の次年度使用額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
H28年度以降のエレキ部構造製造やエレキ基板製造にあてる.
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