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2014 年度 実績報告書

高感度ラマン光学活性装置の開発とそれによるアミロイド線維天然化過程の構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 26708017
研究機関大阪大学

研究代表者

山本 茂樹  大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (60552784)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードスペクトル分析 / ラマン光学活性 / 分析化学
研究実績の概要

本年度は、高強度レーザーを用いた全周囲型高感度ROA装置の開発を試みた。装置の設計、部品性能の検討および部品調達および組み立ての一部を行った。一部部品の調達完了後、装置の組み立てを完了する。
市販装置を含む従来の後方散乱配置ROA装置においては,レーザー光強度は約1 Wに制限されていたが、本研究においては90度散乱配置を採用し,レーザー集光直径を増大させることで試料や光学部品へ損傷を起こすことなく,高強度レーザーの使用を初めて可能とし高感度化を達成する。その為に高出力であり、かつ低ノイズのレーザーを選定し調達した。
従来のROA装置においては,その測定配置の為に検出体積が小さかった。本研究においてはゆるく集光したレーザー光と,それと平行に配列させたファイババンドルの適用より,スペクトル分解能を落とすことなく,約100倍の検出体積を達成する。その為に特殊な配列をもったファイババンドルを設計し、調達を行った。
装置が完成次第、アミロイド線維天然化過程における構造要素の測定を行い、インスリン濃度を変え,インスリンアミロイド線維の天然化過程の構造変化を分単位で測定する。得られた多数のROAスペクトルを経験的帰属法に基づき解析し,アミロイド線維の天然化過程に,分類可能な高次構造が何種類存在するのか明らかとする。多変数スペクトル解析を適用し,後述の量子力学を用いた解析において考慮すべき要素スペクトル数の指針とする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

自己評価の理由は、交付申請書において本年度に完了予定であった、新規ラマン光学活性装置の開発が完了していないためである。これは、依頼した一部の装置部品の加工が完了しておらず、そのために装置組み立てが行えないからである。加工の完了していない部品には、光学部品を載せる特注のベースプレートおよび特注の分光器がある。どちらも開発予定の装置に設計を最適化した特注品であり、かつ部品点数が多いため加工が遅延している。しかし現在、部品加工の大部分は完了しており、全て完了次第、装置の開発に取り掛かる予定である。装置開発における部品調達には予期できない遅延が起こりがちであることを考慮して、達成度の自己評価を「やや遅れている。」と評価した。

今後の研究の推進方策

基本的に申請書に記載したとおりに研究を進めていく。まず高感度ROA装置の開発を早々に完了し、その装置を用いて,インスリン濃度を変え,インスリンアミロイド線維の天然化過程の構造変化を分単位で測定する。得られた多数のROAスペクトルを経験的帰属法に基づき解析し,アミロイド線維の天然化過程に,分類可能な高次構造が何種類存在するのか明らかとする。多変数スペクトル解析を適用し,後述の量子力学を用いた解析において考慮すべき要素スペクトル数の指針とする。
それと並行して、27年度以降に予定していた量子力学によるROA構造解析法の開発を行う。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由は、本年度中に購入予定であった物品(ファイババンドル)の設計および作製に時間がかかり、本年度内の納品が不可能であった為。

次年度使用額の使用計画

上記ファイババンドルを購入する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 大阪大学大学院理学研究科化学専攻分析化学研究室ホームページ

    • URL

      http://www.chem.sci.osaka-u.ac.jp/lab/watarai/

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公開日: 2016-06-01  

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