研究課題
本研究のねらいは、ナノカーボン材料を、光機能性分子の連結土台やペロブスカイト結晶構造を担持する土台として用い、その構造-光物性相関の解明を行うことにある。光機能性分子としてポルフィリン、連結土台のナノカーボン材料としてタンスカーボンナノチューブ(SWNT)に着目した。前者は電子供与体(D)、後者は電子受容体(A)としての性質を有する。ポルフィリン-SWNT連結系において架橋子長を系統的に変化させることにより、D-A間電子カップリングの光物性に与える影響について検討を行った。つまり、架橋子として直線状で堅固なオリゴ(p-フェニレン)(モノマーからペンタマー)を用い、その架橋子長を精密に制御した。すると、架橋子長にかかわらず、エキシプレックス状態の生成および基底状態への直接失活が観測された。また、そのエキシプレックス生成および減衰の距離依存性は、同じ架橋子を有する既報のD-A系の電荷分離および電荷再結合と比較して大幅に小さくなることを初めて見出した。さらに、オリゴ(p-フェニレン)の代わりにオリゴ(p-キシレン)を介したD-A連結系ではより大きな距離依存性が見られた。さらに、架橋子をフェニレンモノマーに固定し、SWNT上に共有結合によりポルフィリンダイマーおよびモノマーを選択的に形成した。ポルフィリンダイマー-SWNT複合体では、吸収スペクトルにおいて、ポルフィリン同士の相互作用に由来する吸収帯が450 nm付近に観察された。また過渡吸収スペクトル測定により、ポルフィリン-SWNT間にエキシプレックス形成が確認され、その寿命はダイマーの方がモノマーより長いことがわかった。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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