研究課題/領域番号 |
26708025
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藪 浩 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (40396255)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | プラズモン / コンポジット / 微粒子 / ラマン散乱 |
研究実績の概要 |
今年度は金ナノ粒子ーポリマーコンポジット微粒子の作製とその機能評価を行った。末端アミン基を持つポリブタジエンとポリスチレンからなるコアーシェル型微粒子を自己組織化析出法により作製し、金ナノ粒子分散液を加えることで、シェルに金ナノ粒子が密に詰まった微粒子を得た。金ナノ粒子のプラズモン吸収はもともと520nm付近に存在しているが、シェルに高密度に配列することにより、金ナノ粒子間のプラズモン共鳴がカップリングしたことで、近赤外領域まで吸収波長がレッドシフトした。 このコンポジット微粒子にパラメルカプトフェノールを吸着させ、785nmの波長で励起した表面増強ラマンスペクトルを測定したところ、高感度に検出できることが明らかとなった。比較として用いたポリマー粒子や金ナノ粒子単独ではスペクトルが確認できない濃度であったことから、近赤外領域に吸収を持つことと、表面増強効果が効果的にラマンシグナルを増強した物と考えられる。 さらに、コアに磁性ナノ粒子を導入したコンポジット微粒子の作製にも着手し、磁場応答性を持つコンポジット微粒子の作製にも成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りコンポジット微粒子の作製に成功しており、おおむね順調に研究は進展している。
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今後の研究の推進方策 |
磁性ナノ粒子を導入したコンポジット微粒子の表面増強ラマン散乱特性評価を行い、細胞導入に向けた基礎的な検討を行う。 特に磁性によって粒子の分散、移動、集積をコントロールし、それによりラマン散乱スペクトルがどのような影響を受けるかについて検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度購入予定の少額試薬の購入を次年度購入に変更したため。
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次年度使用額の使用計画 |
上記の様に少額の変更であるため、ほぼ計画通り予算の使用を行う。
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