研究課題
申請者はカニ殻からキチン質のナノファイバーを製造することに成功している。本研究ではキチンナノファイバーの微細な形状と優れた力学的強度、多彩な生体機能を活かし、ハイドロキシアパタイトと複合した骨再生材料の開発を行っている。本材料は成型外科や歯科治療において優れた成型性、操作性を有する。また、炎症を誘発することなく骨や歯の欠損部において足場として安定に存在し再生する。治療後は体内で消化される。そのような全くの新規の骨や歯の再生材料を開発し、高齢化の進む現代社会において、人々の健康を増進してく。28年度は以下の課題に取り組み研究成果を得ている。キチンナノファイバー複合シートキチンナノファイバーを任意の割合で配合したゼラチン複合シートを作成した。得られたシートは柔軟でかつ透明であった。その複合シートをSEMで観察できた。ナノファイバーの補強効果によって、複合シートは高強度、高弾性であった。得られたシートをマウスの体内に埋設し、組織学的に観察した。シートは炎症反応を惹起せず、一方で、繊維芽細胞の増殖が確認できた。また、期間内に分解されて消失した。キチンナノファイバー複合ハイドロゲルキチンナノファイバーを配合したハイドロゲルを作成した。ハイドロゲルはナノファイバーおよび架橋剤によって強化できた。得られたハイドロゲルをマウスの体内に埋設したところ、炎症反応は軽度であった。ハイドロゲルを軟骨組織の欠損部に埋設したところ、骨芽細胞の集簇とそれに伴うI型コラーゲンの産生が確認できた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
キチンナノファイバーを製造販売する大学発ベンチャー企業を起業した。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 3件、 査読あり 8件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (20件) (うち国際学会 4件、 招待講演 17件) 図書 (2件) 備考 (2件)
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