研究課題
研究代表者が発見した超音速マイクロジェットの生成・制御手法を確立し,医工学応用へ展開することを目的として,研究を進めた.まず,マイクロジェットを生成するために不可欠であるレーザー誘起水中衝撃波を詳細に解析するため,Optical Flowと呼ばれる解析手法を導入した新しいBackground Oriented Schlieren法を開発した(Hayasaka et al. Exp Fluids 2016).この手法により水中衝撃波圧力を画像から算出することに世界で初めて成功し,ジェット生成メカニズムに関する詳細な知見を得た.さらに衝撃波の起点となる水中プラズマに関して実験的解析を行った.レーザー集光位置付近では複数のプラズマが発生しており,各々のプラズマから衝撃波が生じ,重ね合わせられてジェットを生成していることを明らかにした(Tagawa et al. J Fluid Mech 2016).次に水中衝撃波によりキャビテーションが生じる場合にはジェット速度は増加することを明らかにし,そのメカニズムを解明した(Kiyama et al. J Fluid Mech 2016).この知見を深めるための新たな実験水槽を設計した.またジェット生成プロセスを数値計算によって再現し,実験で捉えるのが困難なジェット内部速度分布などを算出した.高速マイクロジェットの応用にあたって注入体積が大切であることをふまえ,ジェット体積の制御法を開発し,数nl程度の誤差内でマイクロジェット体積を制御することに成功した.これは微小体積制御が可能な新しい医療機器の可能性を示している.さらに本学農学部教員と協働し,生体組織へのジェット注入実験を実施した.その結果,生体組織中へのジェット貫入を確認し,貫入深さとジェット速度の関連を見出した(Kiyama et al. APS/DFD 2016 (USA)).
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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