本研究では,流体にまつわる力学現象に焦点を当て,分子論と連続体の間におけるメゾスケールの領域において,熱揺らぎに起因するブラウン運動が重要となる物質系の計測理論と相似則を追究した.その結果,流体中に微粒子群が漂う系において粒子追跡の困難に対処しながらブラウン運動の特性を実験計測で評価する幾つかの方法論を確立すると共に,ナノ粒子がナノ流路を通過する際に生じるペクレ数の逆数で整理できる特性を明らかにした.また,メゾスケールの現象を扱う工学的に重要な幾つかの事例について,具体的な力学上の特性を明らかにした.このようにして,ブラウン運動がメゾスケールの流動現象において本質的に重要なことを明らかにした.
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