太陽光のエネルギーを用いて発電を行う太陽電池や,光合成等の物質変換を行う光触媒等では,各材料に固有な「しきい値波長」より長波長側の部分は未利用であり,エネルギーの損失となっている.これは,材料のバンドギャップエネルギーより低エネルギーの光子群が材料に吸収されないためである.もしこのような未利用な光子群を,変換に利用可能なより高いエネルギーをもつ光子群に変換できれば,この問題を回避できる.このような光子のエネルギーの上方変換を光アップコンバージョン(UC)という.本研究は,UC技術に関し,その効率支配メカニズムの理解を追究し,かつ新規でより高いUC効率を示す材料の探索と開発を行ったものである.
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