研究課題
新しいワイドバンドギャップ半導体として注目される酸化ガリウムは,化合物半導体であることからヘテロ接合デバイスも想定される.本研究では,そのヘテロ接合デバイス化を念頭に置いてヘテロエピタキシャル薄膜成長技術の開発,ヘテロ接合の評価を行った.代表的な物理気相堆積法であるパルスレーザー堆積法と分子線エピタキシー法で酸化アルミニウムガリウム混晶薄膜を単結晶酸化ガリウム上に成長させた.作製した薄膜を比較した結果,結晶性はどちらも界面がコヒーレントであり優れていたが,表面平坦膜は分子線エピタキシー法でのみ得られた.そのため,物理気相堆積法では分子線エピタキシーが優れていると結論づけられる.酸化アルミニウムガリウム混晶/酸化ガリウムのヘテロ接合において,電子分光によりバンドアラインメントを評価したところ,Type I型で伝導帯と価電子帯のバンドオフセット比がおおよそ2:1であることが分かった.これらの結果は,酸化ガリウム系ヘテロ接合が,すでにヘテロ接合デバイスが実現して商業的に成功している窒化ガリウム系や炭化ヒ素系と同等に取り扱えることを示唆している.このヘテロ接合について,さらに変調ドープ構造を作製し,電気的特性を容量電圧測定から評価したところ,界面にキャリア濃度の極大,すなわちキャリアの閉じ込めを確認した.これは,二次元電子ガスの存在を示唆するものである.これらの成果は,酸化ガリウム系ヘテロ接合デバイスの実現を強く指示するものである.残念ながら,本研究期間でデバイス化には至らなかったが,そのデバイス化直前まで本研究で達成できたと考えている.
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Applied Physics Express
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
巻: 10 ページ: 035701
10.7567/APEX.10.035701
Japanese Journal of Applied Physics Selected Topics in Applied Physics
巻: 55 ページ: 1202B7
10.7567/JJAP.55.1202B7
巻: 55 ページ: 1202B6
10.7567/JJAP.55.1202B6