本研究では、MRI診断装置用の超伝導コイルの次世代化に向けて、二硼化マグネシウム(MgB2)線材の高性能化と、その材料を基盤とした要素技術の開発に従事した。その結果、線材コア組織の制御により、臨界電流特性や耐歪特性を向上するための新しい知見を得た。また、超伝導接続技術として、磁場下で優れた臨界電流特性を有する、炭素添加のMgB2単芯線材に着目し、本来の特性の約70%まで向上・維持できる接続性能を達成した。さらに、超伝導接続により閉じた小型MgB2コイルを作製し、固体窒素冷却下でその永久電流モードの性能を世界で初めて評価するとともに、冷却及び超伝導磁石としての性質・特性に関する様々な知見を得た。
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