本研究では、超臨界圧条件下における遷臨界乱流境界層の高精度シミュレーションを可能とする高次精度数値計算スキームを開発し、著者の知る限り初めて遷臨界平板乱流境界層のDNSに成功した。また独自に構築したDNSデータベースを解析し、キーとなる超臨界圧・遷臨界乱流境界層特有の熱力学物性と壁乱流との相互干渉現象の詳細や特異な乱流統計量を明らかにした。さらに乱流モデルの構築という観点からも本DNSデータベースを解析し、既存の乱流モデルの問題点を明らかにするとともに、超臨界圧・乱流境界層解析に適した密度変動効果を考慮する乱流モデルの提案に成功した。
|