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2017 年度 実績報告書

髄鞘恒常性の破綻による精神症状発症機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26710004
研究機関神戸大学

研究代表者

和氣 弘明  神戸大学, 医学研究科, 教授 (90455220)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード髄鞘 / 運動学習
研究実績の概要

オリゴデンドロサイトは髄鞘によって神経伝導速度を制御し、約50倍程度まで速めることができる。これによって活動電位の到達時間を制御し、シナプスの発火タイミングを調節し、情報伝達を効率化する役割を持っていると考えられる。本課題ではこの髄鞘の恒常性が損なわれているモデルマウス(PLP-tg)を用いて、運動学習としてレバー引きによる水報酬学習を組み合わせ学習時の髄鞘の神経回路活動への寄与を検討した。PLP-tgは正常群に比し、学習効率の低下を認めた。さらに大脳皮質運動野から組織を採取し、RNAを抽出し、訓練前後でのミエリン塩基性蛋白質(MBP)の発現を比較したところ、正常群で認められる運動前後でのMBPの発現上昇がPLP-tgでは認められなかった。またマウス大脳皮質運動野2/3層のカルシウムイメージングを学習行動中に行うことで学習時の神経細胞の発火パターンを正常群と比較した。正常のマウスに比してPLP-tgはレバーを引く行動と関連のない自発活動の増加を認めた。この自発活動と運動学習効率は逆相関することから自発活動が高いほど、運動学習の効率は低くなることが明らかとなった。さらに光遺伝学によるオプトジェネティックス法を用いて、活動電位到達時間の時間的分散を計測したところ、視床刺激によって引き起こされる大脳皮質運動野の神経細胞の活動は正常群に比してPLP-tgはspike latencyが長く、かつ1回の刺激で誘導されるスパイクの数が多いことが明らかとなった。この活動電位の到達するタイミングを人為的に補正し、同期させることでPLP-tgでも運動学習を改善させることができるかことがわかった。本研究により髄鞘の恒常性が損なわれた際におきる運動学習がどのような神経回路の異常によって起きるのかを明らかにし、髄鞘の恒常性維持機構の破綻による学習障害、情報処理異常の可能性を提案することができた。

現在までの達成度 (段落)

29年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

29年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額が生じた理由

29年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額の使用計画

29年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Activity-dependent functions of non-electrical glial cells2018

    • 著者名/発表者名
      Kato Daisuke、Eto Kei、Nabekura Junichi、Wake Hiroaki
    • 雑誌名

      The Journal of Biochemistry

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      doi: 10.1093/jb/mvy023

  • [雑誌論文] Cortical astrocytes prime the induction of spine plasticity and mirror image pain.2018

    • 著者名/発表者名
      Ishikawa T, Eto K, Kim SK, Wake H, Takeda I, Horiuchi H, Moorhouse AJ, Ishibashi H, Nabekura J.
    • 雑誌名

      Pain

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1097/j.pain.0000000000001248

  • [雑誌論文] Reduced Mastication Impairs Memory Function2017

    • 著者名/発表者名
      Fukushima-Nakayama Y.、Ono Takehito、Hayashi M.、Inoue M.、Wake H.、Ono Takashi、Nakashima T.
    • 雑誌名

      Journal of Dental Research

      巻: 96 ページ: 1058~1066

    • DOI

      10.1177/0022034517708771

  • [学会発表] Systemic - CNS immune interaction to regulate neuronal activity2017

    • 著者名/発表者名
      Hiroaki WAKE
    • 学会等名
      第40回日本神経科学大会(千葉)
  • [学会発表] Myelination for information processing2017

    • 著者名/発表者名
      Hiroaki WAKE
    • 学会等名
      第90回日本神経化学会大会(仙台)
  • [学会発表] Physiology of microglia -New Insights-2017

    • 著者名/発表者名
      Hiroaki WAKE
    • 学会等名
      XXⅢ World Congres of Neurology(京都)
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 髄鞘のスクラップアンドビルドによる脳情報処理の効率化2017

    • 著者名/発表者名
      和氣弘明
    • 学会等名
      次世代脳冬のシンポジウム(東京)
  • [学会発表] Spatial and temporal regulation of neuronal circuit activity by glial cells2017

    • 著者名/発表者名
      Hiroaki WAKE
    • 学会等名
      "The UK-Japan Spring Neuroscience Symposium (ロンドン)"
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] "Activity dependent myelin regulation in information processing"2017

    • 著者名/発表者名
      Hiroaki WAKE
    • 学会等名
      第123回日本解剖学会総会・全国学術集会(東京)

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公開日: 2018-12-17  

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