研究課題/領域番号 |
26710010
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
光永 眞人 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40433990)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 癌 / 分子標的薬 / 近赤外光 |
研究実績の概要 |
がん分子標的モノクローナル抗体をはじめとする分子標的薬を用いたがんに対する治療法の進歩により、がん患者の予後は改善してきているが、分子標的薬が単剤で効果を示す疾患には限りがあることが知られており、その効果を高めるための方法について以前より盛んに研究がされてきた。研究代表者らはがん分子標的モノクローナル抗体と近赤外光感受性物質を結合させた化合物を利用して、がんの蛍光分子イメージングとイメージングをガイドとした近赤外光線治療であるphotoimmunotherapy(PIT)を開発し報告してきた。PITの治療効果は抗体の分子標的特異的な結合の程度、すなわち、標的特異的な蛍光シグナルの強度に依存するが、抗体の細胞あたりの結合量には結合飽和による限界が存在する。HER2の異なるエピトープを認識する2種類の近赤外光感受性物質結合モノクローナル抗体を併用することによって、単剤投与では得られないHER2特異的な蛍光シグナルが得られ、さらに、光線治療による治療効果も増強させることが可能であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
異なるエピトープを認識する複数の抗体を利用したPITの開発によって、PITの治療効果を増強可能であることを学会や学術誌にて発表した。また、前年度検討を行っていた抗がん剤を併用したPITの治療効果増強についても学会や学術誌にて発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
PITの治療効果を増強可能な方法の探索をさらに進め、また、臨床応用を見据えたイメージング機器開発の基礎検討も行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末購入・支払予定であった消耗品の納品および請求が翌年度にずれ込んだ
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次年度使用額の使用計画 |
翌年度に予定通り納品・支払予定である。
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