がん分子標的モノクローナル抗体をはじめとした分子標的薬を用いるがん治療の進歩によってがん患者の予後は改善してきているが、分子標的薬が単剤で十分な治療効果を示す疾患は少なく、その効果を高める方法について以前より研究が進められてきた。 研究代表者らはがん分子標的モノクローナル抗体と近赤外光感受性物質を結合させた化合物を利用して、がんの蛍光分子イメージングとイメージングをガイドとした近赤外光線治療であるphotoimmunotherapy(PIT)を開発し報告してきた。 近赤外光は深部組織や巨大腫瘍においてはエネルギーが減衰するため、光による十分な標的特異的治療効果が得られない可能性がある。本課題では、モノクローナル抗体に近赤外光感受性物質と抗がん物質を結合させた新規化合物を合成し、標的特異的なPITの効果とchemoimmunotherapyの効果が複合的に誘導可能な治療法を開発した。
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