トランスポゾンとその残滓は、ヒトゲノムでは 45%もの領域を占めている。トランスポゾンの持つ転移能は個体に有害であり、特に生殖細胞におけるトランスポゾンの発現抑制は次世代への正確な遺伝情報の伝達を考えた場合に、生物にとって喫緊の課題である。私は小分子RNAがトランスポゾンの発現を生殖細胞でいかに抑制しているかに関して研究をハエとマウスを用いて行ってきた。ハエにおいては、特定ゲノム領域に存在するタンパク質群を網羅的に同定する手法を開発してきた。また、マウスにおいては精巣中に含まれる少量の生殖細胞からクロマチン状態をプロファイルし、その様態を明らかにした。
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