研究課題/領域番号 |
26710015
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
柿澤 茂行 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 主任研究員 (10588669)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 細菌 / ゲノム / 遺伝子 / バイオテクノロジー |
研究実績の概要 |
まず全ゲノムクローニング用ベクターの精査および検討を行った。酵母において大きなゲノム断片をクローニングするためのYAC(酵母人工染色体)ベクターはいくつか開発されているため (Science 317:632-8, 2007)、これらを改変し、クローニング用ベクターとして検討した。ベクターは、酵母および大腸菌において複製するように設計されており、かつ、酵母においては環状のゲノムとして保持されるように設計されている。加えて、マイコプラズマ内において複製するためのOriC領域を保持させる必要性が生じたため、これをベクターに導入した物を作製した。このベクターを用いたクローニングは、ベクター配列とターゲットとなるゲノム断片とが 60 bpほど重複するような「のりしろ」配列を設計すると、酵母の細胞内で相同組換えによるアッセンブルが自然に起こるというTAR (Transformation-Associated Recombination) cloningを応用している (Science 317:632-8, 2007)。本研究ではこの手法に倣ってストラテジーを確立した。「のりしろ」配列は、プライマー合成によって作製した。 作製したベクターを用いたクローニングを試みたところ、小さなゲノム断片のクローニングに成功したため、大きなゲノム断片のクローニングを試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全ゲノムをクローニングする系を確立するため、必要な手法・ベクター・試料等を準備することができ、また一部のゲノム断片のクローニングも成功した。特にマイコプラズマでの複製に必要なOriC領域の導入に成功した点は大きい。研究は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後も引き続き研究を推進し、全ゲノムクローニング・ストラテジーの確立および、それを確認する系の確立を行う。加えて、全ゲノムをいくつかのパーツに分けてクローニングし、それを再アッセンブルする手法の確立も目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
クローニング用ベクターの調査について、新たな情報が得られたため、一部追加で調査を行う必要が生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
クローニング用ベクターをより詳細に調査・改良するための消耗品費として使用する予定。
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