本研究の目的は、栄養状態の変化に応じた成長と代謝調節の制御機構を理解することである。多細胞生物の発育過程は、栄養状態といった外部環境の変化に応じて、柔軟に個体成長を調節できる。申請者は、モデル生物ショウジョウバエを用いて、栄養シグナルに応じたインスリン様ペプチドの機能調節機構を解析することで、生物個体に備わっている恒常性維持機構の理解を目指した。本研究の成果により、栄養状態に応じたインスリン様ペプチドの発現調節機構を詳細に明らかにした。さらに、この発現調節は、最適下限の栄養条件下において個体成長を維持する上で重要な役割を果たしていることを明らかにした。
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