研究課題/領域番号 |
26711012
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
五島 剛太 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20447840)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | オーグミン / 微小管増幅 / ノックアウトマウス |
研究実績の概要 |
微小管増幅因子・オーグミン複合体の哺乳類における生理的役割を明らかにするため、オーグミンの構成因子HAUS6 (Aug6/Dgt6)のノックアウトマウスを作成した。ノックアウトマウスは以下のような表現型を示した。 (1)初期胚段階で致死となった。(2)初期胚発生の細胞分裂時にスピンドル形成に異常をきたした。(3)ノックアウトマウスでは、初期胚の細胞分裂時に現れる複数の微小管形成中心(microtubule organising centre; MTOC)のクラスター化がうまくいかなかった。(4)その結果、多極性のスピンドルが頻繁に認められ、染色体分配が異常となった。(5)中心体の数を人為的に増やした培養細胞においても、オーグミンをノックダウンすると上記のような表現型が現れた。(6)中心体を増やした培養細胞において、オーグミンを欠失させる以外の方法で微小管増幅を阻害したところ、オーグミン欠失と同様の表現型が現れた。 以上の結果は、微小管増幅が3つ以上のMTOCを2つにまとめるのに必要であることを示唆している。微小管増幅の哺乳類生体内での機能を初めて明らかにしたこの研究成果はCell Reports誌に発表された(Watanabe et al. 2015)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画どおりマウス発生におけるオーグミンの機能を明らかにできたため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定どおり、動物、植物、菌類の系において微小管形成、動態制御の機構についての分子細胞生物学的解析を多角的に進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品にかかる費用を節約できたため未使用額が生じた
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次年度使用額の使用計画 |
消耗品購入に使用予定
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