研究実績の概要 |
本年度は最終年度に生じた動物の大量死によって遂行遅延が生じたものとに注力した。イモリの培養細胞の条件を確立するために様々な実験条件を試した。鳥取大の林准教授の助言もあり、50%DDW, 40%DMEM,10%FBSの条件で継代可能な培養細胞を得ることができた。また、今後の実験の利便性を考慮しGFPを全細胞に発現するイモリから線維芽細胞の確立をめざし、鳥取大学の林准教授から分与いただいた動物から得たGFPを全身性に発現するイモリ組織からのGFP陽性細胞下部の樹立に成功した。遺伝子改変動物は、遺伝子組み換えの申請の許可を待つばかりであるが、事前準備としてDNAのコンストラクトを構築した。遺伝子組み換えに実体となる計画としてはTVAという鳥類徳的ウイルスレセプターをイモリ・メキシコサラマンダーに発現させる事を目指す。通常ではイモリは鳥類特異的ウイルスに感染性(感受性)を持たない。TVAを発現させることで鳥類特異的ウイルスの感染能力を有することが期待できる。遺伝子組み換えに必要な資材と技術はすでに多方面からの協力で取得しており、今後認可(大臣確認実験になる見通し)され次第実験遂行に取り掛かる。このウイルスに遺伝子ノックダウン&ノックアウトのための細工を搭載してゆく事で将来的な実験系の確立を目指す体制を整えることができた。最終報告書にも記載するが、本申請では再生誘導物質を全身性に発現するトランスジェニック動物を作成する予定であった。しかし、全身に発現する動物は胚性致死になったためこの部分の計画を変更したことを最後に追加記載しておく。
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