研究課題
本年度は本格的に哺乳類の胎子の組織切片作成と比較観察をすすめることが出来た.理化学研究所の協力をうけPtch1, TGfbr2, Fgfr2, Dlx5, Ihh遺伝子のプローブを用いてマウス胎子に対してin situ ハイブリダイゼーション染色を行った.また,東京大学総合研究博物館では齧歯類および偶蹄類,コウモリ類の胎子に対し,抗αチューブリン抗体,MF20個体,2H3抗体,2H8抗体を用いた免疫組織化学染色,アザン染色を行った.連続切片は川本迅速法を用いて高精細な切片の回収と作成を行った.これらをコンピュータ上でAmiraソフトによって三次元再構築を行い,胚形態の発生過程の観察および種間比較による発生進化の解析を行った.また,東京大学教育学研究科および京都大学医学研究科と共同し,ヒトの胎子標本のCT分析を進め,頭骨発生の三次元パターンの数理的解析を行った.
2: おおむね順調に進展している
まだ本研究課題の統括的論文は完成していないが,予察的論文を複数報告するに至っており,順調に進展していると判断できる.
まだマウス以外の哺乳類,特に非モデル生物の胎子標本の収集が十分でない.非モデル生物の胎子標本は,哺乳類全体での発生進化および頭骨の相同性解析のために必要となる.そのため,国外および国内で野外調査を継続し,胎子標本の収集に努める必要がある.入手した胎子標本は抗αチューブリン抗体,MF20個体,2H3抗体,2H8抗体を用いた免疫組織化学染色,アザン染色を行い,そののちコンピュータ上で三次元再構築を行う.マウスと非モデル生物種の胚形態の発生過程の種間比較を行い,頭骨の相同性を導出する.
基金であるため柔軟な予算執行を行った.
来年度は最終年度となるため次年度使用額が出ないよう計画的な執行を行う.
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
Mammalian Biology
巻: 86 ページ: 17-20
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Morphomuseum
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
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巻: 18 ページ: -
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