研究課題/領域番号 |
26712009
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
木羽 隆敏 独立行政法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (20532097)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 窒素栄養不足 / シロイヌナズナ / 転写因子 |
研究実績の概要 |
慢性的窒素不足環境での植物の生存を支える転写制御ネットワーク解明を目指し、新奇GARP型転写因子群の機能解析のため、以下の実験を行った。 新奇GARP型転写因子が転写活性化因子なのか抑制因子なのかを調べるため、GAL4プロモーターとGAL4 DNA結合ドメイン-GARP型転写因子融合タンパク質を発現するコンストラクトを用いてトランジェントアッセイ法により検定したところ、転写抑制因子であることが明らかになった。またその働きには、N末端側に存在する転写抑制(SRDX)モチーフが必要であることも明らかにした。 新奇GARP型転写因子3種類について、real-time PCR及びプロモーター:GUS融合遺伝子を導入した形質転換体を用いて発現パターンの解析を行った。その結果、どの遺伝子も植物体全体で広く発現し、窒素不足環境では発現が弱くなることを明らかにした。 新奇GARP型転写因子の生理機能解析及び標的遺伝子同定のため、過剰発現体と恒常的活性化型過剰発現体の確立を行った。当初は恒常的活性化型と恒常的抑制型の両方の過剰発現体を作製する予定だったが、新奇GARP転写因子が転写抑制因子であることが明らかになったため、恒常的活性化型の過剰発現体のみを確立した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね当初の計画通りに進展している。新奇GARP型転写因子の発現パターンの解析と過剰発現体の確立は完了した。また新奇GARP型転写因子が転写抑制因子として働くことを明らかにし、恒常的活性化型の過剰発現体も確立した。
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今後の研究の推進方策 |
確立した過剰発現体と恒常的活性化型過剰発現体を用いて、形態と代謝の両面から表現型解析を行う。またこれらの形質転換体を用いたマイクロアレイ解析及び全クロマチン免疫沈降シークエンスにより、新奇GARP転写因子の標的遺伝子の同定を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
いくつかの形質転換体の確立が予定より遅延しており、それにより繰越金が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
遅れている形質転換の確立を完了するため、繰越金を使用する予定である。
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