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2016 年度 実績報告書

第一減数分裂中期停止の発生機序の解明と染色体異常のない卵子の獲得

研究課題

研究課題/領域番号 26712022
研究機関広島大学

研究代表者

星野 由美  広島大学, 生物圏科学研究科, 助教 (10451551)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード卵子 / 第一減数分裂中期 / 第二減数分裂中期 / 紡錘体 / 染色体 / 受精卵 / Pin1
研究実績の概要

プロリン異性化酵素Pin1に着目してその機能解析を行った。体細胞において、Pin1は広範なタンパク質(Ser/Thrキナーゼ)をターゲットとして、そのタンパク質の安定性や構造変化を調整することによって、細胞分化・増殖に必要な微小管の重合や細胞周期の進行に関与している。卵子の成熟過程において、Pin1特異的阻害剤であるJuglone、DTMをそれぞれ処理すると、濃度依存的に第一極体の放出が抑制され、卵子の成熟を有意に阻害した。同条件で細胞内小器官の局在を調べてみると、極体放出前に出現するアクチンキャップは細胞質表層で形成されているものの、紡錘体の形成が不完全あるいは、細胞表層へ移動した紡錘体の向きが適切でなかったために、極体放出がなされなかったことが明らかとなった。In vivoでの検証を行うため、Pin1欠損(ヘテロ)マウス由来の排卵卵子を解析したところ、約8割の卵子で極体放出が認められなかった。減数分裂の進行には、アクチンやミオシンなどのタンパク質の機能が不可欠であるが、Pin1の阻害はそれらの機能を大きく阻害した。次に、この現象が卵子の減数分裂に特異的なものなのかを検証するため、初期胚発生におけるPin1の機能を解析した。タイムラプスイメージングを用いて、Pin1を阻害した受精卵の発生を観察したところ、2細胞期以降の正常な卵割が阻害された。すなわち、Pin1阻害により、一部の割球で細胞分裂が進行する現象や、染色体の分配を伴わない細胞分裂などが頻出した。これらの結果から、Pin1は卵子の減数分裂のみならず、初期胚発生においても重要な役割を果たしていることが明らかとなった。減数分裂や初期胚発生過程では、多くのSer/Thrキナーゼの関与が知られているが、本研究の結果、これらのタンパク質の機能は、Pin1によるプロリン異性化によって厳密に制御されている可能性が示された。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額が生じた理由

28年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額の使用計画

28年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] プロリン異性化酵素Pin1は受精卵の卵割に機能する2016

    • 著者名/発表者名
      星野由美、宮本拓真、川合智子、内田隆史、島田昌之
    • 学会等名
      第39回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2016-11-30 – 2016-12-02
  • [学会発表] プロリン異性化酵素Pin1による着床前初期胚発生に果たす役割2016

    • 著者名/発表者名
      星野由美、川合智子、内田隆史、島田昌之
    • 学会等名
      第34回日本受精着床学会
    • 発表場所
      軽井沢プリンスホテルウエスト
    • 年月日
      2016-09-15 – 2016-09-16
  • [学会発表] How do we select high-quality oocyte?2016

    • 著者名/発表者名
      Yumi Hoshino
    • 学会等名
      The 15th Research Center for Mathematics on Chromatin Live Dynamics (RcMcD) Seminar
    • 発表場所
      Hiroshima University
    • 年月日
      2016-07-15 – 2016-07-15
    • 招待講演
  • [学会発表] 卵子の形成・成熟、受精後の初期胚発生過程におけるプロリン異性化酵素Pin1の発現と機能2016

    • 著者名/発表者名
      星野由美、川合智子、内田隆史、島田昌之
    • 学会等名
      第57回日本卵子学会
    • 発表場所
      朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター
    • 年月日
      2016-05-14 – 2016-05-15

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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