精子幹細胞の培養法が開発されて約15年が経過したが、齧歯類以外の動物に対してはいまだに効率が悪い。そこで、本研究では進化的に高度に保存されている細胞間架橋の切断による連結精原細胞の断片化を利用して、幅広い動物種に有効な精子幹細胞維持増幅法の開発を目指した。その過程で、細胞間架橋構成因子の解析を進め、連結精原細胞断片化可視化精子幹細胞を作製した。また、連結精原細胞断片化の頻発する生殖細胞特異的ヒストン脱メチル化酵素JMJD3欠損マウスの解析を行い、細胞間架橋切断に関わる分子機構の解析を進めた。その結果、有望な候補となりうる分子機構の同定に成功した。
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