研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アカパンカビ子嚢胞子の驚異的な特殊能力は、怪奇現象として歴史を賑わしている。例えば、1842年にフランス軍のパン工場で大発生したアカパンカビの大調査が歴史に記されている。日本でも関東大震災のときの大火災後に、突如出現したオレンジ色の粉(アカパンカビ)が幻想的に東京中に舞い、人々を魅了させた(1925年, 日本植物病理學會報, 1巻6号, p15-19)。本研究課題は、歴史に刻まれたアカパンカビによる怪奇現象を分子レベルで謎解く学術的意義がある。また、生物の驚異的な特殊能力の応用は様々な形で人類の発展に貢献してきたが、このアカパンカビの特殊能力の応用もイノベーションにつながることが期待できる。
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