高等生物のゲノムにのみ100%保存された、超保存領域より転写される機能性RNA (T-UCR)の発現異常は、がん化など細胞内恒常性の破綻の新たなリスクファクターとなる可能性がある。 本研究では、選択的スプライシング因子SR様タンパク質の一つTransformer 2-beta (TRA2B)遺伝子領域より生成されるT-UCR、TRA2β4を介した大腸がん悪性化メカニズムの解明を目的とした。大腸がん細胞の核に高発現するTRA2β4はSp1を阻害することでp21を減少させ、細胞老化が低下し細胞増殖を亢進させた。T-UCRはステムループを形成し配列依存的に大腸がん悪性化に関与することを見出した。
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