アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患は、いずれも有効な治療法に乏しい難病である。本研究では、神経変性疾患の一種であるポリグルタミン病に対し、凝集形成抑制による治療法開発を行い、以下の3つの成果を得た。(1)ポリグルタミンタンパク質と凝集阻害化合物の結合様式を明らかにした。(2)分子シャペロンがエクソソームと呼ばれる細胞外小胞を介して細胞間伝播し、神経変性を抑制する機序を明らかにした。(3)薬物を効率的に脳内に送達するためのキャリア分子を開発した。以上の結果は、ポリグルタミン病ならびに神経変性疾患に対する治療法開発に有用な知見を提供するものである。
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