研究課題
ADの発症にS.aureusのクオラムセンシングにより調節を受けるδ-toxinの産生が関わることを新規マウスモデルを用いて明らかにしてきた。本研究により、我々の経表皮S. aureus感染マウスモデルにおいてIL-17サイトカインの産生を検討したところ、IL-17は有意に上昇し、Il17-/-マウスでは炎症反応は劇的に抑制された。このIL-17依存性の皮膚炎症はケラチノサイト由来のIL-1, IL-36サイトカインがMyD88シグナルを介して誘導されていることを更に明らかにした。ごく最近のAD患者検体を用いた次世代RNA-seqの結果では患者の皮膚でIL-1, IL-36関連遺伝子群の発現上昇が報告され、我々のマウスモデルのデータを支持するものとして非常に興味深い。また、これらのサイトカインは特定の病原因子を欠損させたS. aureusを用いることにより抑制されることを見出した。この病原因子もδ-toxin同様、黄色ブドウ球菌のクオラムセンシングによりコントロールされているため、これらの結果は、黄色ブドウ球菌の皮膚炎発症のメカニズムはクオラムセンシング依存性に起こっているということを示唆し、臨床において治療や予防法のターゲットの1つとして期待できる成果であると考える。現在、本研究にて得られた成果を発信するため論文を投稿準備中である。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Scientific reports
巻: 5 ページ: 18023
10.1038/srep18023
臨床免疫・アレルギー科
巻: 63(6) ページ: 547-550
アレルギーの臨床
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