研究課題
ナノ粒子製剤は一般に血中滞留性が高く、投与してからイメージングを実施するには、バックグラウンドシグナルが低減するまで比較的長い時間待つ必要がある。これはナノ粒子は主に治療用薬剤のデリバリー用キャリアとして開発されてきた経緯によるものであるが、イメージングプローブはプローブ投与から撮像までを数時間以内に収めることが必要であり、新たなナノ粒子の生体内制御技術の創成が求められている。そこで核医学診断用ナノキャリアの開発においては、これまでの生体温度周辺でのナノ粒子の形状制御に加えて、血中に滞留しているナノ粒子の動態を制御することによって、ナノ粒子プローブ投与後、より短時間で標的とする部位とバックグラウンドの信号比を高めることを試みた。マウスの血中に滞留しているナノ粒子を任意のタイミングで血液外に排出させることに成功し、血中由来のバックグラウンドシグナルを低減させることで、プローブ投与後早期での標的部位/バックグラウンド信号比を高めることを達成した。内照射治療用ナノキャリアの開発については、オージェ電子放出核種を内包したリポソームとナノ粒子(高分子ミセル)の創製を検討した。特に高分子ミセルには、オージェ電子放出核種である77Brを内包効率90%以上と高効率に内包すること、EPR効果にてがんにデリバリーされやすいと期待される粒子径の制御に成功した。また、調製した高分子ミセル製剤を用い、インビトロでの細胞障害性の評価を行った。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Nanoparticle Research
巻: 18 ページ: 137
10.1007/s11051-016-3448-4