研究課題
当該年度に計画していたトリフルオロメチルラジカル"CF3・" を反応活性種とする[18F]トリフルオロメチル化反応を行うにあたり、まずcold実験における条件検討を行った。フッ素源としてフッ化カリウムを用いても同様の結果であった。また、Ag塩の代わりに、Cu,PdおよびNiなど様々な金属種を用いて検討したが、いずれも望まれる結果が得られなかった。そこで、ブロモジフルオロメチルチオ化合物が銀(I)塩と混合することで、ジフルオロメチルチオニウムを形成し、系中に存在するフッ化カリウムによる求核的フッ素化反応が20分で進行することを見出した。一方、迅速なフッ素化反応ならびにトリフルオロメチル官能基導入法にも取り組んだ。求電子的トリフルオロメチル化剤とチオウレアと反応させるとCF3S置換イミダゾリウム塩を首尾よく得られることに成功した。さらに、この塩を相関移動触媒として利用することを見出した。(RSCAdv.2016)トリフルオロメチルチオ及びトリフルオロオキシ化合物は、トリフルオロメチルアリール化合物と同様に医農薬で多く見受けらる官能基であり、これらはPETトレーサーとして重要な標的アナログである。そこで、抗インフルエンザ活性を有するトリフルオロメチルスピロラクトン誘導体の合成法の開発を行った(Org.Chem.Front.2016)。生理活性物質によく見受けられるオキシインドール環への求核的フッ素化反応の開発(Org.Lett2017)ならびにトリフルオロメチルチオ化にも成功している(論文作成中)。今後、購入したuplc,RI検出器を用いた分離条件の検討も実施しており、[18F]KFを用いたhot実験に移行する予定である。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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