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2014 年度 実績報告書

免疫系ー神経系クロストークによる脊髄損傷の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 26713047
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

神山 淳  慶應義塾大学, 医学部, 特任講師 (30437511)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード脊髄損傷 / オリゴデンドロサイト前駆細胞
研究実績の概要

本研究では神経系ー免疫系のクロストークという観点から脊髄損傷時の病態解明を目指し研究を進めることを目的とする。具体的には損傷脊髄における神経系(オリゴデンドロサイト前駆細胞)と免疫系(ミクログリア)を遺伝学的に制御することにより損傷機転に与える影響を解析する。平成26年度は免疫系ー神経系の相互作用を解明するために、脊髄損傷モデル作成後1週間後にマイクロアレイ等の解析を行い、損傷後に一過的に神経系において発現上昇する転写因子群が同定可能であった。興味深いことにこれらはエピジェネティックな遺伝子発現修飾機構に関連する遺伝子が含まれていた。今年度はこれらの遺伝子のうち特にオリゴデンドロサイト前駆細胞において発現上昇する遺伝子に着目し、コンディショナルノックアウトの作成を開始した。また、オリゴデンドロサイト前駆細胞における脊髄損傷後の変化をより解析するためにSox10-Venusマウスを用いた脊髄損傷モデルを利用した解析も施工した
一方、オリゴデンドロサイト前駆細胞特異的な細胞系譜を追随するためのレポーターマウスを用い、神経系ー免疫系のクロストークに関わるシグナル伝達機構を阻害する阻害剤やコンディショナルノックアウトを用いた解析を行い、脊髄損傷後のオリゴデンドロサイト前駆細胞の分化が阻害されるという結果が得られた。現在、ミクログリアの制御可能な遺伝子改変動物を準備中であり、平成27年度に向けた基礎データを取っている

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

遺伝子改変マウスの飼育スペースの確保や実験動物の導入に時間がかかっており、当初の計画で利用予定の実験動物の全ての準備が整っているわけではない。平成27年度中にこれらの問題を解決し、当初の研究目的の達成をしたいと考えている。

今後の研究の推進方策

本計画における律速段階は遺伝子改変動物の調整である。今後は遺伝子改変動物の作成の優先順位をつけ、より直接的に免疫系-神経系クロストークの脊髄損傷の損傷機転への関与を解析可能な毒素依存的な細胞除去システムに焦点を絞る。また、トランスクプトーム解析などは外注可能なため、実験の進行具合により外部への解析委託をすることを検討している。

次年度使用額が生じた理由

実験動物の入手や飼育スペースの確保の問題から当初の予定よりもマウス動物飼育の関わる費用が少なくなったため。

次年度使用額の使用計画

マウスの維持費や遺伝子改変動物作成などの費用に充てたいと考えている

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] TLR9 signaling in microglia attenuates seizure-induced aberrant neurogenesis inthe adult hippocampus2015

    • 著者名/発表者名
      Matsuda T, Murao N, Katano Y, Juliandi B, Kohyama J, Akira S, Kawai T, Nakashima K
    • 雑誌名

      Nature communications

      巻: 6 ページ: 1,10

    • DOI

      10.1038/ncomms7514

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] マウス脊髄損傷モデルにおけるエピジェネティック修飾関連因子の解析2014

    • 著者名/発表者名
      43.堀桂子, 神山淳, 坂野聡重, 岩波明生, 岡野栄之, 戸山芳昭, 中村雅也
    • 学会等名
      第29回日本整形外科学会基礎学術集会
    • 発表場所
      城山観光ホテル(鹿児島県鹿児島市)
    • 年月日
      2014-10-09 – 2014-10-10

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公開日: 2016-06-01  

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