研究実績の概要 |
【カニクイザルにおける子宮同種移植実験】 ①MHC遺伝子多型解析:研究協力者により、プールしたドナーレシピエント候補のカニクイザルのMHC遺伝子多型解析を行い、目的にあったMHC解析済のカニクイザルを選定することを可能とした。②免疫抑制剤プロトコール:カニクイザルにおけるシクロスポリンの皮下注射投与の血中濃度動態の解析はこれまでに報告がなく、他実験にて2.5mg/kg, 5mg/kg, 10mg/kgの投与量のシクロスポリンを各群6個体ずつ行い、トラフ測定を含めた血中濃度動態を検証したものを利用し、移植実験に向けたプロトコールを作成した。③拒絶反応の診断、免疫学的検討:移植前のMLR検査、抗ドナー抗体の測定、リンパ球FACS解析を施行し、さらに術後に定期的に同様の検査を行い、免疫学的検討を行うとともに、子宮頸部の生検を施行し、拒絶反応を病理学的にも検査した。 平成26年度に予定していた研究計画の他、子宮移植を行うにあたり、子宮の虚血許容時間を検証しなければならず、カニクイザルの子宮を0h, 30min, 1h, 2h, 4h, 8h虚血したモデルをそれぞれ3個体ずつ作成し、その後の月経回復率や術中の虚血再灌流障害の検証を行った。平成26年度では18個体予定中、12個体の子宮虚血モデルを作製した。 【一般市民に対する子宮移植のアンケート調査】 インターネットリサーチ会社を利用して、子宮移植のアンケート調査を3712名に対して施行した。平成27年度に統計学的手法を用いて、結果をまとめる予定である。また、社会への本研究の発信の場として、子宮移植プロジェクトチームホームページ(http://www.pt-ut.org/)を立ち上げた。
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