研究課題
①カニクイザルを用いた子宮同種移植:事前に血液型およびMHC解析を行ったカニクイザルを用いて、ドナー個体から子宮および血管柄を摘出し、レシピエント個体に移植を行った。術後は免疫抑制剤の投与および血中濃度コントロールを行いながら、経時的に経腹超音波断層法、子宮生検を行い、拒絶反応の有無を診断した。また術後の月経回復を観察した。一部の個体においては、月経の回復が見られたが、全個体において拒絶反応が診断され、免疫抑制剤プロトコールの再検討が課題として挙げられた。②子宮虚血許容時間の検証:昨年度中に施行できなかった残りの6個体の虚血子宮個体の作製を行った。計18個体の虚血子宮個体のモデルにより、子宮を4時間まで虚血した個体は術後、周期的な月経回復が得られたが、8時間の個体においては無月経となった。以上より、カニクイザルにおける子宮の温阻血許容時間は4時間以上8時間以内ということが示唆された。③一般市民に対する子宮移植のアンケート調査:昨年度施行したアンケート調査を解析した。ドナーは、脳死・心停止ドナー(33.8%)、母親(19.0%)、レシピエントは、 先天的子宮欠損(54.4%)、子宮悪性腫瘍による子宮摘出(20.0%)がもっとも支持された。子宮移植が倫理的に社会に「許容される」と回答した人は15.7%、「議論を続ければ許容される」が77.6%、「議論しても許容されない」が6.7%であり、子宮移植に対する個人的な賛否では、賛成である人は44.2%、どちらともいえないが47.5%、反対である人が8.3%であり、日本の生殖年齢女性には、子宮移植は社会的にも個人的にも許容できるという肯定的な意見が多い結果となった。④社会への本研究の啓発および情報提供:子宮移植プロジェクトチームHP(http://www.pt-ut.org/)を公開し、多くの閲覧と問合せがあった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Transplant Proc.
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