研究課題
本研究では、糖尿病患者末梢血・潰瘍局所での抗炎症性を規定するM1/M2マクロファージ比率の制御因子(Notch シグナル、サイトカイン等)の同定、及び糖尿病性潰瘍の慢性炎症環境と遺伝子特性(エピジェネティ クス)の制御機構を解明することを目的とする。平成26年度は糖尿病潰瘍モデルマウスを用いて、糖尿病性潰瘍部分の慢性炎症メカニズムを解明した。糖尿病マウスにおいては皮膚の損傷前においてM1細胞からの炎症シグナルが正常に惹起されないため、その後M2細胞からの皮膚再生シグナルの発現が遅延し、創傷治癒遅延が生じてしまうことを明らかにした。(PLOSOneに投稿)平成27年度は、糖尿病患者において末梢血CD34+細胞におけるPGC1αとNotchシグナルの障害が存在していることを明らかにし、Hybrid QQc培養においてはPGC1αとNotchシグナルの障害を改善し、Hybrid QQc細胞は高い血管新生・創傷治癒効果を有することを明らかにした(Stem Cell Translational Researchに投稿)。平成28~29年度は、HyQQc培養不適合患者における責任因子を同定し、効果的治療バイオマーカーの開発を行った。20%の糖尿病患者では慢性炎症制御不能によってHyQQc法が適用不可、ならびに、ヌードマウス潰瘍へのHyQQc細胞移植で血管再生・組織再生・抗炎症効果が有意に低いという課題を受けて、HyQQ細胞における、遺伝子学的特徴をRNAsegにて解析し、いくつかの候補遺伝子を同定した。さらに、HyQQ細胞だけでなくHyQQ培養中の培養上清を解析し、HyQQc Non Responder/Responderの慢性炎症制御因子の候補を特定した。今後、慢性炎症に起因する糖尿病性潰瘍に対する遺伝子特性に応じた治療戦略決定のための先進的診断法の開発への発展が期待される。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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STEM CELLS Translational Medicine
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
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