研究課題
本年度は本研究の最終年度であり,これまでに出た結果の総まとめを行った.本研究で得られた結果は大きく以下の2つである.【結果1:一般化対称関数全てを計算することのできるエネルギー効率のよいしきい値回路の構成】本研究で与えた構成は,従来知られていたものに比べ,回路の規模が指数的に小さいものになっている.しきい値回路は一般にエネルギーを制限すると回路の規模が大きくなってしまうというトレードオフの関係が成り立つ場合が多いが,本研究では,許されるエネルギーの量に応じて,適切な構成を与えることにより,どのようなエネルギー量の場合にも使うことのできる結果を与えることができた.さらに,後述する結果2によって,エネルギーが小さい場合の結果1で与えた構成は,これ以上よくすることのできない最適な構成であることを示すことに成功した.【結果2:与えた構成の最適性の証明】結果2では,従来よく知られていた「素子削減法」や「通信複雑度」とは全く異なる新しい証明手法を提案することもできた.この手法は,今回結果1で考慮した一般化対称関数だけでなく,この世に存在するすべての関数に対して適用することのできる,極めて汎用性の高い手法となっている.すなわち,どのような関数であっても,この手法を適用することで構成可能なしきい値回路の規模の下界を得ることができる.また,本年度は,得られた結果を基に論文を完成させた.この論文は査読付き国際会議に投稿をしたが,残念ながら不採択となってしまったため,現在は他の査読付き国際会議への投稿に向け改良中である.
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件) 備考 (1件)
Algorithmica
巻: Vol. 78, Issue 1 ページ: 274-297
10.1007/s00453-016-0159-2
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Discrete & Computational Geometry (DCG)
Theoretical Computer Science (TCS)
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http://www.ecei.tohoku.ac.jp/alg/suzuki/