研究実績の概要 |
26年度は主に以下の論文を出版しました. Phung-Duc, T., and Kawanishi, K., “Performance Analysis of Call Centers with Abandonment, Retrial and After-Call Work,” Performance Evaluation, Vol. 80, pp. 43--62, 2014. この論文でコールセンターの客の振る舞いを詳細にモデル化し,解析を行った.まず,大きな特徴は後処理である.後処理とは客とオペレータが通話した後に客が電話を切って客がシステムから離脱するがその客に対してオペレータが何らかの追加サービスを提供することである.例えば,その客との通話の内容に応じて顧客のデータベースを更新すること等に該当する.後処理を行っている間はオペレータが新たな客を対応できないが電話回線が一つ解放される.このため,新しい客はこの回線を占有して待つことが可能である. 一方,待っている客が我慢できる時間制約があり,その時間を超えるとサービスを途中放棄する.途中放棄した客はある時間後に再試行するものとする.又,到着時に回線を占有できない客も再試行する.このシステムにたいして後処理をしている客数,コールセンター内にいる客数と再試行している客数を三変数のマルコフ連鎖を構成する.このマルコフ連鎖を解析して定常分布を求める.更に,サービスを受けた客の待ち時間や放棄した客の待ち時間の分布をそれぞれ導出した.更にこのシステムの安定条件を導出した.
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