本研究課題の興味の対象は「条件付き正規化最尤分布」と呼ばれる確率分布,および関連して現れる確率分布の評価尺度「条件付きリグレット」であった.過去の観測値を固定した場合,過去の観測値を平均化した場合とも,カルバック-ライブラー情報量リスクと呼ばれる評価尺度のもとでは,条件付き正規化最尤分布よりも性能のよい確率分布が存在することが分かった.その確率分布は,条件付きリグレットリスクについて,最悪の観測値が与えられた場合の性能を最大化するものであった.また,この確率分布は,条件付き正規化最尤分布をベイズ予測全体の空間に射影して得られる確率分布でもあった.
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