研究課題
本研究では,高次元データに対する統計的仮説検定法の開発を行うことを目的とし,その有用性・実用性について研究を行った.近年の情報化の進展に伴い高次元データに対する統計解析手法の開発は重要であり,研究期間全体を通して,1.高次元データに対する平均ベクトルに関する仮説検定問題,2.高次元データに対する共分散構造に関する仮説検定問題についていくつかの研究成果が得られた.特に本年度は以下の点について研究成果を得ることができた.1.高次元データに対して,平均ベクトルと分散共分散行列の同時検定問題について議論し,非正規性の下でこの仮説検定問題に対する検定統計量を提案し,いくつかの高次元枠組みの下でその近似分布を導出した.さらに検出力について議論を行い,提案統計量の有用性を確認することに成功した.これらの結果については,2016年9月に開催された日本数学会秋季総合分科会において口頭発表を行い,さらに論文としてまとめ,学術雑誌に現在投稿中である.2.データに欠損が生じている欠測値データに対して,欠測メカニズムが「Missing at random (MCAR)」であるかどうかの検定問題について議論し,この仮説検定問題に対する尤度比検定統計量の帰無分布の漸近展開近似を2-step単調欠測データの場合において導出し,バートレット補正を施した検定統計量を提案した.この結果については,2016年9月に開催された統計関連学会連合大会において口頭発表を行い,さらに論文としてまとめ,学術雑誌に掲載されることが決定している.この問題に関しては、高次元の場合についての議論を今後行っていく予定である.
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
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