研究課題/領域番号 |
26730024
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
DOU XIAOLING 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (10516868)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | Baker's distribution / Bernstein polynomial / Density estimation / Order statistic / Ordered categorical data |
研究実績の概要 |
与えられた周辺和を持つ多変量分布を構成する一つの方法として Baker (2008) が提案した方法は,各周辺分布は仮想的に考えたn個の独立同分布データから構成される順序統計量からの一様サンプリングと考え,各周辺分布間のサンプリングに相関構造を組み込む方法である. 例えば, 二次元データの相関構造を表すのは,nxn行列である.このように得られた多変量分布は,各周辺分布が [0,1] 上の一様分布の場合,Bernstein 多項式を用いたBernsteinコピュラと一致する. すなわち,Bernsteinコピュラを推定するために,相関構造を表すパラメータ行列を推定する必要がある. 平成26年度には,Bernsteinコピュラのモデルが有限混合分布の形をしていることに着目し,Expectation-Maximization (EM) アルゴリズムを用いたパラメータ行列の推定を行った.パラメータ行列に関して何の制約をおかない場合と,相関の高いデータについて効率よく推定するために,少ないパラメータで記述したモデルでBernsteinコピュラを推定した.その際,行列パラメータのサイズは情報量規準AICで決定した.これらのアルゴリズムのメリットは,連続的変量,離散的変量,連続と離散とも存在するミックスの分布でも利用できることである. また,平成26年度はさらに国際ワークショップ International Workshop in Waseda University (IWIW2015) --- Recent Developments in Statistical Distribution Theory and its Applications --- を開催した. https://sites.google.com/site/wasedaworkshop/ 本ワークショップでは,分布理論,相関構造,コピュラなどの専門家とコピュラの推定方法について詳しい討論を行った.多くの有益な助言をいただき,今後の高次元のモデル開発と応用にも役に立つと考えられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
アルゴリズムの開発とプログラムの作成が達成するとともに,2次元のデータの使用許可もいただき,本年度の研究成果が得られた.
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今後の研究の推進方策 |
シミュレーションによって推定方法の評価,及びデータが3次元以上の場合の推定が可能かどうかを確認する。 また,他のコピュラと比較し,Bernsteinコピュラの柔軟性を確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度では物品購入が少ないため,次年度使用額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度は計算機の購入が予定している.
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