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2015 年度 実施状況報告書

多変量ノンパラメトリック検定統計量の開発と環境データへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 26730025
研究機関東京理科大学

研究代表者

村上 秀俊  東京理科大学, 理学部, 講師 (60453677)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードノンパラメトリック法 / 多変量解析 / 検定統計量 / 積率母関数 / 近似分布 / シミュレーション
研究実績の概要

Murakami (in paress). 本論文では, 生物学で多用されている多重比較における新しい検定統計量を提案し, 標本サイズが小さい場合の棄却点を導出した. また, 検定統計量の棄却点に対する確率限界値を導出することで, 標本サイズが大きい場合への適用も可能となった.
Murakami (2015). Math. Sci.:確率変数の和の分布の導出は統計学において重要な役割を果たしているが, 標本サイズが大きくなると確率計算は困難となる. 本論文では, 独立非同一なガンマ分布に従う確率変数の和の近似分布の導出および近似誤差を求めた. 鞍点近似を用いて, 正規近似との近似精度の比較を行ない, その妥当性を示した.
Murakami and Ha (2015). 本論文では, 修正型Mood検定の漸近効率を求めることにより統計量の有用性を示した. 漸近効率は極限での下での議論であるが, 実際のデータは有限標本である. そこで修正型Mood検定の近似分布の導出することで棄却点の導出を行ない, シミュレーション実験によりその妥当性を示した.
Murakami and Lee (2015). 仮説検定を行う際, 検定統計量が不偏になるということは重要な意味を持つが, その証明は難しい研究課題である. 本論文では, 順序対立仮説に多用されるノンパラメトリック統計量が任意の分布において不偏になることを示した論文である.
Murakami (2015). Statistics:本論文では, 修正型Wilcoxon検定が片側対立仮説の下で不偏, 両側対立仮説の下で非不偏になること, 平均に対して対称にならないことを示した. また, 検定統計量の良さを示す漸近効率を導出した. 近似分布および近似誤差を導出することで有用性を示し, 検出力の比較により統計量の妥当性を示した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究目的として, 環境データを解析する際に多用されているノンパラメトリック法の理論の構築がある.
当該年度は「多変量統計量への拡張」および「検定統計量の極限分布および近似分布の導出」を中心にして研究を進めることを研究計画としていた. 上記の研究成果にも記述した通り,「検定統計量の極限分布および近似分布の導出」について5編の論文が採択され, さらに新しい検定統計量を提案できたので, ふたつ目の目標に対しては順調に成果が上げれていると考える. しかしながら, ひとつ目の目標「多変量統計量への拡張」に対しては国際会議での発表をし, 論文の投稿までは至ったが採択はされていない状況である.
ふたつ目の研究に重点を置いたという点を加味すると, 総合的に概ね順調に研究は進展していると考えられる.

今後の研究の推進方策

平成28年度においては, 更なる多変量検定統計量の提案および変化点の推定問題に向けて研究を行う. また, 様々な環境データに対して提案した手法で分析を行い, 既存の分析結果との比較を行う. 理論的研究が進まない場合は, 数値実験に重点を置きながら, 問題解決の糸口を探る. また, 国内・海外の研究者と口頭で議論を行うため, 国内学会や国際学会への参加, 同じ研究内容に興味を持っている研究者を訪問することで研究の推進を図る.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 5件、 謝辞記載あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] All-pairs multiple comparisons based on the Cucconi test2016

    • 著者名/発表者名
      Murakami, H.
    • 雑誌名

      AStA Advances in Statistical Analysis

      巻: 100 ページ: 355-368

    • DOI

      10.1007/s10182-016-0268-x

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Approximations to the distribution of sum of independent non-identically gamma random variables2015

    • 著者名/発表者名
      Murakami, H.
    • 雑誌名

      Mathematical Sciences

      巻: 9 ページ: 205-213

    • DOI

      10.1007/s40096-015-0169-2

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] The modified Mood test for the scale alternative and its numerical comparisons2015

    • 著者名/発表者名
      Murakami, H. and Ha, H-T.
    • 雑誌名

      Journal of the Korean Statistical Society

      巻: 44 ページ: 592 - 605

    • DOI

      10.1016/j.jkss.2015.03.005

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Unbiasedness and biasedness of the Jonckheere-Terpstra and the Kruskal-Wallis tests2015

    • 著者名/発表者名
      Murakami, H. and Lee, S-K.
    • 雑誌名

      Journal of the Korean Statistical Society

      巻: 44 ページ: 342 - 351

    • DOI

      10.1016/j.jkss.2014.10.001

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] The power of the modified Wilcoxon rank sum test for the one-sided alternative2015

    • 著者名/発表者名
      Murakami, H.
    • 雑誌名

      Statistics: A Journal of Theoretical and Applied Statistics

      巻: 49 ページ: 781 - 794

    • DOI

      10.1080/02331888.2014.913049

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Power Comparison of the Multivariate Kruskal-Wallis-Type Test2015

    • 著者名/発表者名
      Murakami, H.
    • 学会等名
      Eighth International Workshop on Simulation
    • 発表場所
      Vienna, Austria
    • 年月日
      2015-09-21 – 2015-09-25
    • 国際学会
  • [図書] シリーズ:統計解析スタンダード ノンパラメトリック法2015

    • 著者名/発表者名
      村上秀俊
    • 総ページ数
      181
    • 出版者
      朝倉書店

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公開日: 2017-01-06  

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